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特性要因図の書き方は?4Mで原因候補を広げ、現場データで確かめる手順

特性要因図の書き方を、特性の絞り込み、4Mの大骨、中骨・小骨、現物と記録による検証まで架空の寸法不良例で解説します。

「特性要因図」「4Mで原因候補を整理」の文字と魚の骨を描いた記事サムネイル
69品質・歩留まり

特性要因図は、不良や設備停止など一つの問題に対し、考えられる要因を魚の骨の形に並べる図です。工場では「寸法が規格下限を下回った」のように現象を絞り、人・設備・材料・方法の4Mで原因候補を広げます。

書く順序は、特性を一つ決める→背骨と4Mの大骨を描く→中骨・小骨に具体的な条件を書く→記録で候補を確かめる、です。図に書けた段階では、原因はまだ仮説です。国土交通省の資料も、特性要因図は要因を広く整理し、重要な候補を別途深掘りする使い方を示しています。

右端に置く「特性」は、一つの現象に絞る

まず紙の右端に、今回調べる結果を書きます。改善目標の「品質を上げる」では範囲が広すぎます。「製品Aの外径が下限を下回った」と書けば、対象の製品、検査項目、現れた異常が揃います。以下は作図を説明するための架空例で、実際の工場の測定結果ではありません。

対象ロット、発生日、測定方法も別の記録に残します。現象が二つあるときは、図も分けます。外径の不足と外観の傷を一枚にまとめると、どの枝がどちらの結果に関係するのか分からなくなるためです。検査担当と製造担当で、最初に同じ現物と記録を見てください。

JEED基盤整備センター掲載の品質管理教材「技能検定機械検査2級実技試験テキストII」は、特性を決め、背骨、大骨、中骨・小骨の順に描く手順を示しています。この順序を、工場の調査票に置き換えて使います。

背骨から4Mの大骨を描き、原因候補を広げる

特性に向けて横線を一本引きます。これが背骨です。そこへ斜めの線を足し、人・設備・材料・方法の四つを大骨として書きます。4Mは英語のMan、Machine、Material、Methodの頭文字です。分類名は原因ではなく、見落としを減らすための棚です。

国土交通省の「事故、ヒヤリ・ハット情報等の収集・活用の進め方」(2023年6月、第3版)は、特性要因図をテーマ別に要因を洗い出して系統的に整理する方法と説明しています。同資料は運輸安全が対象です。ここでは図の使い方だけを参照し、製造業の義務や実績を示す資料としては扱いません。

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大骨架空の外径不良で挙げる候補最初に見る記録
人設定値の入力や測定位置が作業者で異なる作業手順、設定履歴、検査記録
設備温度表示と実測に差がある温調器の記録、点検履歴
材料材料ロットや保管状態が変わったロット票、受入検査、保管記録
方法冷却時間や測定の時点が一定でない標準作業書、工程条件、測定手順

この表は調査のための例であり、四つの候補が実際に不良を起こしたという意味ではありません。設備担当が温調器、品質担当が測定手順、製造担当が設定履歴というように、記録を持つ担当を決めると、図を描いた後の確認が止まりません。

外径不足を右端に置き、人・設備・材料・方法の四つの大骨へ原因候補と確認記録を分けた特性要因図
図1 外径不足を例に、4Mの枝と確認記録を対応させる

中骨と小骨は、調べられる条件まで具体化する

大骨の下に、候補となる状態を中骨として書きます。「設備が悪い」では点検する場所が決まりません。「温調器の表示と金型の実測温度が違う可能性」と書けば、比較する数字が見えます。さらに小骨へ、センサーの取付位置、校正履歴、測定時刻などを分けます。

人の枝も「作業者の不注意」で止めません。手順書の測定位置が曖昧か、測定器の置き場が変わったか、交代時の引継ぎ記録があるか、確かめられる条件へ直します。個人の責任と決める前に、同じ条件で他の人が作業した記録とも照らします。

候補を書くときは、現物・記録で確認できた事実と、まだ裏づけのない仮説を分けて印を付けます。例えば「材料ロットが前日と違う」は記録で確かめられる事実です。「その変更が外径不足を起こした」は、まだ検証が必要な仮説です。両者を同じ色の枝にすると、図を見た人が結論と取り違えます。

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枝の書き方記録で確かめる問い
曖昧:「材料が悪い」どのロットが、いつ、どの設備に投入されたか
具体的:「ロット変更後に寸法が変わった可能性」変更前後の測定値と、同時に変わった工程条件は何か
曖昧:「測定ミス」測定位置と時点を担当者間で同じにできるか

中骨・小骨を増やし続けると、紙面だけが埋まります。枝ごとに「どの記録を見れば確かめられるか」を言えない候補は、別欄に保留してもかまいません。重要なのは枝の数ではなく、確認作業へ移れることです。

図を描いた後、候補を記録と現物で検証する

特性要因図は原因を確定する道具ではありません。JICAの「保健医療隊員のための5S-カイゼン-TQM手法導入ガイド」(2014年2月、第3版)は、洗い出した原因を仮説とし、調査や実験、過去の記録で確かめると説明しています。同資料の事例は医療分野です。工場では同じ検証原則を、工程条件と製品の記録に当てはめます。

先の例なら、外径不足が出た時刻に絞り、製品ロット、設備、作業条件、測定方法を横並びにします。候補と不良が同じ時期に現れただけでは因果関係は決まりません。他の条件も同時に変わっていないかを確認し、必要なら条件を一つずつ変えて再現を見ます。安全や品質に影響する試験は、通常の承認手順を先に確認してください。

  1. 優先候補を選ぶ:現象との時間的な一致、影響の大きさ、記録の有無を見て、先に確かめる枝を決める。
  2. 裏づけを取る:現物、測定値、設定履歴、ロット票を突き合わせる。記録が無ければ、次回から取る方法を決める。
  3. 結果を戻す:否定された候補にも印を付け、残る候補と確認済みの事実を図に追記する。

検証の記録には、見たデータと判断日、担当を残します。後から別の不良が出たとき、前回の仮説を真因として使い回さないためです。是正処置まで進む場合は、不具合対策書で暫定処置と恒久処置を分ける手順につなげられます。

なぜなぜ分析は、重要な一因を深掘りするときに使う

特性要因図は候補を横に広げ、なぜなぜ分析は選んだ一因を縦に掘ります。国土交通省の資料も、図で要因を洗い出した後、重要なものを別途なぜなぜ分析で追う方法を示しています。最初から一つの原因だけを深掘りすると、材料や測定方法の変化を見落とすことがあります。

例えば温調器の記録に異常が見つかった場合、そこで初めて「なぜ表示と実測がずれたか」を調べます。校正、センサーの固定、点検の担当などへ進むかは、現物と履歴で確かめて決めます。なぜなぜ分析で事象を絞り、止めどころを決める手順は別記事にまとめました。

作図時の注意:4Mは候補を整理する棚です。すべての枝に原因を無理に置く必要はありません。図の完成度より、現物・記録で裏づけられるかを優先します。

朝の打ち合わせでは、図と確認担当を一緒に決める

会議前に品質担当が対象ロットと不良の現物を用意し、製造担当が発生時刻と工程条件を揃えます。会議では特性を一つ確認し、4Mの枝を埋め、確認する記録と担当をその場で書きます。図だけを配って終えるより、次に見る数字が決まります。

全員が同じ原因を挙げたとしても、その場で確定はしません。異常が出なかったロットや設備との違いを一つ見れば、思い込みを減らせます。必要な記録が無ければ、いつ、誰が、何を記録するかを決めます。まず一件の不良で使い、枝の名前と確認欄を自社の工程に合わせて直してください。

品質管理のテーマ一覧には、品質・歩留まりの実務記事をまとめています。原因の検証後に不良率を追うときは、不良率の分母と手直しの扱いを揃える方法を参照できます。

よくある質問

特性要因図の4Mは必ず全部埋めますか

全部を埋める必要はありません。4Mは見落としを防ぐ分類です。空欄が残っても、確認すべき候補と記録が揃えば調査を始められます。別の分類が必要なら、対象の工程に合わせて追加します。

特性要因図となぜなぜ分析は、どちらを先に使いますか

複数の原因が考えられるときは、特性要因図で候補を広げます。記録と現物で重要な候補が絞れたら、なぜなぜ分析でその一因を深掘りします。現象と原因がすでに明確な案件では、図を必ず描く必要はありません。

図に書いた要因は、そのまま不具合対策書に書けますか

図に並ぶのは原因の候補です。不具合対策書の原因欄には、調査した記録と、候補を採否した根拠を示します。原因が未確定なら、その状態を明記し、暫定処置と追加調査を分けます。

まとめ

  • 特性は「何が、どの条件で、どう外れたか」を一つに絞る。
  • 4Mで候補を広げ、中骨・小骨には調べられる条件を書く。
  • 図に書いた候補は仮説として扱い、現物と工程記録で確かめる。
  • 重要な一因を深掘りするときに、なぜなぜ分析へ移る。
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  • #原因分析
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