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技能実習1号・2号・3号の違いは?在留期間・移行の試験・人数枠と2027年の制度変更

技能実習の1号・2号・3号の違いを在留期間・移行の試験・人数枠の3点で整理し、2027年4月開始の育成就労制度で区分が廃止される点まで確認します。

「1号・2号・3号」「技能実習の違いと期間」の2行を大きく置いた記事サムネイル
37採用・人材

技能実習は、日本の企業で働きながら技能を身につけ、母国へ持ち帰ってもらう制度です。平成5年(1993年)に創設され、令和7年末の時点で約46万人が在留しています。この在留資格は第1号・第2号・第3号の3段階に分かれ、それぞれがさらに「イ」と「ロ」に枝分かれします。

3つの号で違うのは、法律上の目的、在留できる期間、修了の目標となる試験です。在留期間の上限は第1号が1年以内、第2号と第3号がそれぞれ2年以内。合わせて最長5年になります。イとロは、受け入れる主体が企業自身か監理団体か、という違いです。

以下では、段階の区切り方、イとロの違い、号が上がる要件、受け入れ人数の枠、そして2027年4月に始まる育成就労制度への移行を順に確認します。

1号・2号・3号は「在留できる期間」と「目標となる試験」で分かれる

技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)の第2条は、3段階の目的を修得・習熟・熟達と書き分けています。言葉は似ています。実務で効いてくるのは期間と試験のほうです。在留期間の上限は出入国管理及び難民認定法施行規則の別表第二に定められています。

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段階法律上の目的在留期間の上限計画に置く目標
第1号技能等の修得1年以内基礎級の技能検定など(実技・学科)の合格
第2号技能等の習熟2年以内3級の技能検定などの実技の合格
第3号技能等の熟達2年以内2級の技能検定などの実技の合格

3段階を通すと最長5年です。出入国在留管理庁と厚生労働省の資料「外国人技能実習制度について」(令和8年8月14日改訂)も、受け入れ期間を最長5年間と記しています。5年は自動では続きません。段階が変わるたびに技能実習計画の認定を取り直します。

第1号1年、第2号2年、第3号2年の3段階を左から右へ並べ、段階の間に基礎級の技能検定と3級実技の合格を示し、第3号には1か月以上の一時帰国が付くことを添えた流れ図
図1 3段階の期間と、間に入る試験・一時帰国。第3号の一時帰国は開始前のほか、開始後1年以内に実習を休止して行う方法もあります

「イ」と「ロ」の違いは、受け入れる主体

在留資格の名称は「技能実習1号イ」「技能実習1号ロ」のように、号のあとにイかロが付きます。ここで分かれるのは受け入れ方です。

  • イ=企業単独型:日本の企業等が、自社の海外にある事業所の職員、または主務省令で定める密接な関係を持つ海外の機関の事業所の職員を直接受け入れる形
  • ロ=団体監理型:営利を目的としない法人(監理団体)が受け入れ、その実習監理のもとで企業が雇用契約を結ぶ形

イは、海外の事業所や密接な関係を持つ海外の機関から直接受け入れられる企業に限られます。これに当てはまらない工場が検討するのはロです。協同組合などの監理団体を通し、その監理を受けながら実習生と雇用契約を結びます。なお第1号のイとロについては、講習を受ける活動と技能等に係る業務に従事する活動が、入管法の別表に併記されています。

号が上がる条件。試験の合格と、第3号の一時帰国

次の段階へ進むときは、技能実習計画の認定を新たに受けます。認定の基準と申請書類を定めているのが技能実習法施行規則です。第2号の計画を申請するときは、基礎級の技能検定またはこれに相当する技能実習評価試験に実技・学科の両方で合格したことを証明する書面の写しを添えます。第3号の申請では、3級の実技に合格したことを証明する書面の写しが要ります。

第3号にはもう1つ、一時帰国の要件があります。第2号の終了後に1か月以上母国へ帰ってから始めるか、第3号の開始から1年以内に実習を休止して1か月以上1年未満の期間帰国するか、どちらかです。

さらに、第2号と第3号は移行対象職種・作業に該当する仕事でなければ実施できません。前掲の「外国人技能実習制度について」では96職種174作業が挙げられています。機械・金属関係には機械加工、金属プレス加工、工場板金、めっき、機械保全、電気機器組立てなどが並びます。

自社の作業が一覧に無ければ、第1号の1年で終わります。技能を社内へどう残すかという観点なら、多能工化の進め方をスキルマップと技能伝承で整理した記事の育成の型が、そのまま受け入れ計画の下敷きになります。

確認先:自社の作業が移行対象に当たるかは、監理団体または外国人技能実習機構へ確認してください。同じ職種名でも、対象になる「作業」の範囲が細かく決まっています。

受け入れられる人数は、常勤職員の数で決まる

人数枠を定めているのは技能実習法施行規則の第16条です。団体監理型では、第1号の基本人数枠が常勤職員の総数に応じて段階的に決まります。この常勤職員には、海外の事業所に所属する職員と技能実習生を含めません。

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常勤職員の総数第1号の基本人数枠
30人以下3人
31〜40人4人
41〜50人5人
51〜100人6人
101〜200人10人
201〜300人15人
301人以上常勤職員の総数の20分の1

第2号の枠は、この基本人数枠の2倍です。優良と認められた実習実施者が、一般監理事業の許可を持つ監理団体と組む場合は枠が広がります。第1号で2倍、第2号で4倍、第3号で6倍という扱いです。枠は在籍している人数でも縛られます。第1号は常勤職員の総数まで、第2号は2倍まで、第3号は3倍までを超えられません。

受け入れ前に見ておく数字。監督指導先の73.2%で法令違反

厚生労働省は、外国人技能実習生または特定技能外国人を使用する事業場への監督指導の結果を公表しています。令和6年の状況では、監督指導を実施した11,355事業場のうち8,310事業場(73.2%)で労働基準関係法令の違反が見つかりました。この割合は令和2年から令和6年まで70〜74%の範囲で推移しています。

主な法令違反事項別の該当事業場割合

令和6年・監督指導を実施した11,355事業場が母数

出典:厚生労働省「外国人技能実習生又は特定技能外国人を使用する事業場に対して行った令和6年の監督指導、送検等の状況」(令和7年9月26日公表)

監督指導実施事業場に占める割合
主な法令違反事項別の該当事業場割合監督指導実施事業場に占める割合:使用する機械等の安全基準 25 %、割増賃金の支払 15.6 %、健康診断結果の意見聴取 14.9 %、労働時間 12.4 %、衛生基準 12 %、年次有給休暇 11.1 %監督指導実施事業場に占める割合、使用する機械等の安全基準:25 %最多監督指導実施事業場に占める割合、割増賃金の支払:15.6 %監督指導実施事業場に占める割合、健康診断結果の意見聴取:14.9 %監督指導実施事業場に占める割合、労働時間:12.4 %監督指導実施事業場に占める割合、衛生基準:12 %監督指導実施事業場に占める割合、年次有給休暇:11.1 %
データを表で見る

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主な法令違反事項別の該当事業場割合(令和6年)
違反事項監督指導実施事業場に占める割合(%)
使用する機械等の安全基準25.0
割増賃金の支払15.6
健康診断結果の意見聴取14.9
労働時間12.4
衛生基準12.0
年次有給休暇11.1

最も多く確認されたのは、使用する機械等の安全基準です。次に割増賃金の支払、健康診断結果についての医師等からの意見聴取が続きます。いずれも、機械の使用や時間外労働といったそれぞれの適用場面では、外国人材の受け入れの有無に関わらず必要になる管理です。外国人材のためだけに設ける仕組みではありません。

逆に言えば、安全衛生と労務の記録が整っていない工場は、受け入れの前にそこから手を付けることになります。人の確保を何から進めるかで迷うなら、工場の人手不足対策を採る・残す・減らすの順で並べた記事の順序も合わせて見てください。

なお、この統計は監督指導を実施した事業場についての結果です。外国人材を受け入れる全事業場の違反率ではありません。

2027年4月に育成就労制度へ。1号〜3号の区分は無くなる

2024年6月21日に公布された法律第60号により、技能実習制度は発展的に解消されます。代わりに始まるのが育成就労制度です。出入国在留管理庁は施行日を「一部の規定を除き、令和9年4月1日」と示しています。西暦では2027年4月1日です。

制度が切り替わると、技能実習にあった1号〜3号の区分は廃止され、育成就労の期間は通算3年になります。目標の置き方も変わります。

  • 就労開始前:A1相当の日本語試験の合格、または相当する講習の受講
  • 1年経過時:技能検定基礎級等の合格と、A2.1相当の日本語能力
  • 育成就労の終了まで:技能検定3級または特定技能1号評価試験等の合格と、A2.2相当の日本語能力

技能検定基礎級や3級など、技能実習で使われてきた評価試験が目標に残ります。日本語能力の目標が段階ごとに置かれた点が、技能実習との大きな違いです。

本人の意向による転籍も、一定の要件のもとで認められます。転籍を制限できる期間は1年以上2年以下の範囲で、分野ごとに設定されます。出入国在留管理庁の制度概要では、育成就労の3年を経て特定技能1号の5年へ進む流れが図で示されています。

左に技能実習の第1号1年・第2号2年・第3号2年の3区分、右に育成就労の通算3年を並べ、区分の廃止と本人意向による転籍の追加を対比した図
図2 技能実習の3区分と、育成就労の通算3年
補足:施行までの間に在留している技能実習生の取り扱いや、分野ごとの運用方針は、出入国在留管理庁が順次公表しています。受け入れ計画を立てるときは、最新の公表資料と監理団体への確認を合わせてください。また、本文の「約46万人」は令和7年末の在留者数、「499,394人」は令和7年10月末の外国人雇用状況の届出に基づく労働者数です。基準日と集計方法が異なるため、単純には比べられません。

よくある質問

技能実習・育成就労・特定技能は何が違いますか

技能実習は技能の移転による国際貢献を目的とした制度です。一方、育成就労と特定技能は人手不足分野での人材の育成・確保を目的としています。出入国在留管理庁の資料では、育成就労の3年、特定技能1号の5年、特定技能2号(在留期間の制限なし)という段階が示されています。

第3号まで進めば必ず5年働けますか

いいえ。第3号の計画認定を受けるには、少なくとも3級の技能検定などの実技への合格が必要です。また、第3号を実施する過程では、所定の時期に1か月以上の一時帰国を行う必要があります。要件を満たさなければ第2号の修了までとなります。認定の要件は監理団体または外国人技能実習機構へ確認してください。

製造業ではどのくらい受け入れられていますか

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況(令和7年10月末時点)では、在留資格「技能実習」の労働者は499,394人でした。そのうち製造業が222,243人で、44.5%を占めます。採用・人材テーマの記事一覧では、採用と定着の判断材料をほかのテーマとあわせて扱っています。

まとめ

  • 1号・2号・3号で違うのは、法律上の目的、在留期間の上限(1年・2年・2年)、計画に置く目標の試験です
  • イは企業単独型、ロは団体監理型。海外の事業所や密接な関係を持つ海外の機関から直接受け入れられない工場は、ロを検討することになります
  • 第2号・第3号は移行対象職種・作業に当たる仕事に限られ、96職種174作業が公表されています
  • 人数枠は常勤職員の総数で決まり、優良な受け入れ側は枠が広がります
  • 令和6年に監督指導を受けた事業場の73.2%で労働基準関係法令の違反が確認されています
  • 2027年4月に育成就労制度が始まり、1号〜3号の区分は廃止されます
  • #技能実習
  • #育成就労
  • #外国人材
  • #採用

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